「7」のつく日のBIEE通信【2016年12月17日号】
心が折れる季節?!(その@)
7月中旬に成田空港を出発した留学生たちのアメリカ生活も5ヶ月が経とうとしています。「早かったなあ」という思いと同時に「まだ5ヶ月?」と残りの時間を考えている留学生もたくさんいるようで…最初は「優しい」と思えた人のことを「優柔不断!」と感じたり、「大らかな人だなあ」と評価していた相手を「いい加減な人!」と腹が立ったり…そして「自分の英語力が伸びないのは周りに留学生がたくさんいすぎるから」「学校の成績が上がらないのは先生の教え方が悪いから」「新しいことを体験できないのはホストファミリーがどこへも連れて行ってくれないから」と、うまくいかない理由をついつい周りのせいにしたくなるのもこの時期の特徴かもしれません。
文際交流協会では、オリエンテーションで「プラス思考・マイナス思考」の例として、下記のような練習をしています。留学中の皆さん、ちょっぴり考え方を変えることで自分自身も幸せになれること、忘れないでくださいね!
「プラス思考・マイナス思考」
心が折れる季節?!(そのA)
心が折れそうになっているのは日本からの留学生だけではありません。11月、12月に来日した留学生たち、そして留学生をお世話してくださっているホストファミリーの方も大きな壁にぶつかる時期になりました。異文化の中で困難にぶつかることなく生活することは容易いことではありません。そして数か月前までは赤の他人であった外国の高校生を迎え入れ、お世話をすることは大変な仕事です。欧米諸国において交換留学中に留学生とホストファミリーの間に問題が生じた際、コーディネーターが間に入り3者での話し合いが行われ、問題解決の糸口を探りますが、日本では3者揃っての話し合いはあまり成功しません。それは日本のホストファミリーが留学生本人を前にして本音を言えないことが多く、余計にストレスが溜まってしまうことがあるからかもしれません。そのため私たちは、留学生とホストファミリーのそれぞれの言い分を別々に聞いた上で、何とかいい関係に戻そうとするのですが…むずかしいです!「留学生は全く勉強する気がない」「日本の文化に興味を持っていない」「お手伝いを一切しない」「怠け者すぎる」「整理整頓ができなく、部屋の中がごちゃごちゃ!」「感謝の気持ちが全くない」「食事のマナーが悪すぎ」…ホストファミリーの方々からのご相談やお叱りを受け、謝罪をし、そして留学生との面談。留学生の顔を見た途端、「厳しく叱らなくては…」という気持ちが萎えてしまうことがしばしばあります。到着時には日本に来たことがとにかく嬉しくて、日本での生活が楽しみでしかたないんだなとこちらまでウキウキする位キラキラした表情をしていた子が、どんよりと悲しそうな目をしてこちらを見つめる姿に、自分たちは一体なにをしてしまったんだという後悔の念が襲ってきます。そして、ホストファミリーに対して、そして留学生に対しても「ごめんなさい」という気持ちでいっぱいになってしまいます。
高校交換留学生は、留学したそれぞれの国での様々な体験を通して文化を学ぶことを目的としていますが、それ以上に、留学先国を自分の第二の故郷と思えるくらいに、そしてホストファミリーをもう一つの家族と呼べるくらい大好きになってもらうこと、そして受け入れたホストファミリーも「うちの子」と自然に呼べ、成長を見守れる外国の息子・娘ができたことを喜んでもらうことが大切です。そしてそのセッティングを用意するのが私たちの団体の役割…幸せな笑顔を守るために何ができるのかを模索する毎日です。
そんな中、留学生の受入高校の担当の先生から届いた1枚の写真とメッセージ。それは来日8か月目の留学生の近況のお知らせでした。Y先生、ありがとうございました!!
“少林寺拳法部に入って大成功でした。「近畿大会で勝ったらどうしましょう?!」と顧問の先生が嬉しい悲鳴を上げておられました。近畿大会の切符を手にした時の表彰状と共に今日のSちゃんの姿をご覧ください!“