「7」のつく日のBIEE通信【2017年05月17日号】
ゴールデンウィーク行事無事終了! ――報告(2)
文際交流協会では、BIEE高校生交換留学プログラム参加者保護者を対象に、留学前1回、留学中2回の計3回、保護者会を実施しています。春の保護者会は東京会場ではオリエンテーション開催時に第2回・第3回合同保護者会ならびに第1回保護者会を実施しました。そして、オリエンテーション終了後、神戸に移動し、関西地域に在住の保護者の方を対象に、東京同様、合同保護者会ならびに第1回保護者会を行いました。春の保護者会には、米国団体の代表者たちも参加し、保護者の方たちからの率直な意見や感想に耳を傾け、また、様々な質問にお応えできるようプログラムを組みました。
合同保護者会には、昨年夏に子供さんを米国に送り出し、あと1ヶ月余で帰国する我が子を待つ保護者の皆さんと、今年1月からオセアニアに留学中の子を持つ保護者の方々に集まっていただきました。出席率は毎回80%強。それぞれの会は短時間ではありますが、保護者と団体ができるだけの情報をシェアできるよう、毎回準備段階から全力で取り組んでいます。
合同保護者会では、保護者全員に自己紹介を兼ねて、留学生たちの近況を話していただいています。一人2分程度でお願いしていますが、ほとんどが5分くらいになってしまいます!(それを見込んで毎回時間を計算してスケジュールを組んでいますが…)アメリカ組からは「1年間がアッという間に過ぎてしまいました。本当に早かったです!」「心配することはほとんどありませんでした」という数ヶ月前とは全く異なるコメントが…そして中には「子供が帰ってくるとまたお弁当作らなきゃいけないんだと思うと憂鬱で…」と笑って話されるお母様も…オセアニア組はというと「子供が辛い思いをしているのを知っていたたまれない気持ちです…」「食事がワン・パターンらしく、身体を壊さないか心配で…」「ホストファミリーと話ができていないらしく、親として何をしてやれるか…」。中には涙が止まらなくなる保護者の方もいらっしゃいました。
そんな中、保護者会に参加していたOBOG数名から「保護者一人一人の話を聞くって時間の無駄じゃありませんか?」「事前に意見を書いてもらって、その中からいくつかを選んで読めばいいんじゃないですか!」「聞いている人も飽きるんじゃないですか?」という辛辣な意見が出されました。「このやり方は変えません。決して無駄ではありません。なぜなら『皆の前で自分の子供のことを話したい、親の本音を聞いてほしい、同じ立場の保護者と一緒に気持ちをシェアしたい…』このような保護者の要望に応え、心に寄り添うことがBIEEのやり方だから…」。若者たちには難しいかもしれません。でも「自分の気持ちを話すこと」「他人の言葉に耳を傾けること」で人と人が結び付き、そしてそれぞれの心に温かさを注ぎ込む機会になるのではないでしょうか。甘いかな?でもそれが文際交流協会のやり方です。
どんなに時代が変わっても子供を思う親の心は同じ、保護者会を開催するたび、頭の中でさだまさし氏の「案山子」の歌詞と「親思う心にまさる親心」という吉田松陰の歌が交互に駆け巡ります。そして、留学3か月目の保護者会では涙を拭っていたお母様たちが、9か月目には子供たちと離れて過ごした生活を笑って語る姿を見るたび、時間の経過の威力に驚かされます。これからも直接会って話をし、話を聞き、いっしょに笑い、喜び、時には涙を流し…そんな関係を築ける場所としての保護者会を続けていきたいと思います。