「7」のつく日のBIEE通信【2018年01月17日号】
2018年の最初の月も半分以上の日が過ぎ去り、高校交換留学を運営する私たちは、現在、同時進行するプログラムについて頭の中を整理中です。
●アメリカ滞在中の留学生たちは、折り返し地点を通過しゴールを目指し前進中!●受入生たちの帰国ラッシュ!●オセアニアプログラム参加者の出発カウントダウン開始!●2018年夏アメリカ、オランダに出発予定の交換留学参加者ほぼ決定。
夏出発に向けて準備開始!
プログラムに関わっている全員が未来に向けて全力疾走中です。
アメリカ滞在中の留学生
残りの留学期間の短さにホッとすると同時に様々な不安が心に湧き上がる時期でしょう。留学生たちには「留学レポートU」の用紙と共に「文際からのLove LetterB」を送付、アメリカでの残りの生活をより有意義に過ごしてもらえるようアドバイスをいくつか書いてみました。一つでも留学生たちの心に届くものがあれば幸いです!これまで時計が止まっているのではと感じた位スローだった時の流れも、これからは2倍速で過ぎていくかもしれません。昨年夏から長い道のりを走り、時には大きな岩にぶつかりながらも自力でそれら困難を乗り越えてきている彼らはすでにHalf Survived Angels…身体に気をつけ、1日1日を大切に過ごしてほしいと願っています。
文章だけではBIEEの皆さん、先輩方への感謝を表せないです。本当にありがとうございます。
言葉は人との交流で学ぶもの
受入生たちの多くはホストファミリー、学校の友達や先生方との交流で生きた日本語を学ぶことができたようです。毎回、帰国する留学生たちを見ていて「言葉は交流で学ぶもの」と実感します。YouTubeでアニメを観て日本語の会話を学び、来日したある留学生はホームステイ初日の夕食時に「オレにメシくれ!」と言ってホストファミリーを仰天させてしまいました。父親の友達から譲ってもらった日本語の教本を使って勉強していた子は、「お水」を「お冷や」と表現し、「お茶」を「あがり」、「醤油」を「むらさき」と覚えていました。到着オリエンテーションで、これらの表現は通常の会話では使わないことを説明しても「ここに書いてある!」とボロボロになった教本を見せて主張。確かに書いてある…でも…その後、彼らは日本で生活体験をすることで、帰国時には日本の高校生らしい話し方をするようになっていました。「やばい!」「超むかつく!」「まじで〜」「パリピ」「それな!」という若者言葉の連発にはついていけないと感じることもありますが…
2018年夏出発生・オリエンテーション用ケーススタディ改訂中!
5月2日から6日まで、夏出発生国内オリエンテーションが開催されます。これはプログラム参加者の最終確認の場所です。本人の留学に対する意欲を確かめ、プログラムの目的、ルール、高校交換留学生として求められる姿等をおさらいするためにさまざまなセッションが用意されます。その中でも時間をかけるのが「ケーススタディ」です。これまで高校交換留学中に起こった実際の事例を基に「あなたならどうする?」と考え、話し合います。このセッションを中心となって切り回してくれるのはSurvived Angelsたち。すでに昨年度のケース例を検証し、新たなケースを追加し、今の時代では起こらないであろう事例を削除する作業を開始しています。スマホの普及により、LINEやInstagram等SNSで異国の家族や友達、日本からの留学生同士が24時間、しかも低価格でつながっていられる状況から起こっている様々なトラブルをどう防ぐか?他に頼ることが不得意な優等生たちに必要な時にはSOSを出さなくてはいけないということをわかってもらうにはどうしたらいいか?…2月中には2018夏出発生のもとに「オリエンテーションの課題」の一つとしてお手元に届くはずです。
今一度「高校生交換留学」と「私たちの思い」を考えてみました
大学留学や私費留学であれば「卒業」が一つの明確な目的となるのかもしれません。高校生交換留学の場合、ちょっと違いますね。「日本の代表として留学先国の人たちに文化を伝える『文化交流』」と頭の中でわかっていても「実際何をすればいいの?」と真面目に考えて続けている留学生にとっては迷いがでてきてしまうかもしれません。日本からの高校交換留学生の大きな役割は「日本を知らない人たちに日本や日本人に興味を持ってもらうこと」そして「日本に興味を持っている人に、日本や日本人を好きになってもらうこと」です。私たちが留学中の参加者たちに常に問いかけている質問、それは「これまでの留学生活で、あなたと知り合ったことで日本や日本人に興味を持ったり、好きになったと言ってくれましたか?」そして、「もしそのような人が一人でもいれば、留学生としての役割をすでに果たしています。『自分はすごい!』と自分自身を褒めてあげてください!」と励ましています。交換留学中は自身がどれだけ魅力ある豊かな人間性を持って他に接することができるかが試される時間でもあるのかもしれません。「自分に何ができるか考え続けてほしい」これが私たちの願いの一つです。
2020年東京五輪招致活動のプレゼンテーションで、日本には「おもてなし」の心があり、互いを思いやり、他に心配りができるのが日本人であるといったことが語られました。確かに日本の町の多くは訪れる人たちが気持ちよく過ごせるように比較的きれいに掃除され、電車やバスもほぼ時間通りに運行し、お店の店員さんも大変丁寧に応対してくれます。他方、道路や駅の階段で転んだ人を見ても見て見ぬふりをして通り過ぎる人々、電車やエレベーターのドアが開いた時に出口をふさぐように真正面に立っている人、後ろから人が続いてきているにもかかわらず自分がエスカレーターを昇りきった所でスマホをチェックするために立ち止まる人、自分からぶつかっても一言も言わずに立ち去る人、お年寄りがいるのを知りながら電車の優先席に座って堂々とスマホでゲームをやっている若者、ファミレスで自分の子ども達が走り回って騒いでいても注意をしようとしないで話に夢中になっている若いママ達…どう見ても「自分や自分の子供さえよければいい」「自分以外のことに関心がない」といった思いやりや他に心配りができていない大人たちが増加しているのも「日本の現実」です。もしかしたら、このような大人たちも仕事場では「立派に『おもてなし』できる日本人」と評価される振る舞いをしている人たちなのかもしれません。でも仕事を離れて個人となった時に、もう一つ先のことやまわりのことを考えられる想像力を持ち、見返りを求めない対応ができなければ、「おもてなし」の気持ちがある人とは言えないと思います。さらに「困っている人に『何かお困りですか?』と声をかけましょう」と声掛けを促す駅のアナウンスに「この国の人はそんな当たり前の行為を思い起こされなければ自らできなくなっているか?」と寂しくなります。国の魅力はその国に住む人の魅力…例えば…留学先の国の人たちに日本を好きになってもらうために、日本からの高校交換留学生には、日本人の特性として評価された「おもてなし」精神を表裏のない心と行動で示してほしい。そして…そんなことができる高校交換留学生との出会い私たちは楽しみに待っています!
間もなく開始!
◎2018年3月1日〜 |
「2019年 冬出発 オセアニア高校生交換留学プログラム」 |
---|---|
◎2018年4月1日〜 | 「2019年 夏出発 アメリカ・オランダ高校生交換留学プログラム」 応募受付開始 |