派遣オリエンテーション・保護者会終了!【2018年05月07日号】
これらの大切な行事のためにアメリカ・ミシガン州より受入団体FLAGの代表3名が5月2日に来日、全日程参加し、これから留学生として派遣される高校生たちとの交流を通し、たくさんのアドバイスと勇気を与えてくれました。
そして、たくさんのSAたちがこれらの企画運営に関わり、ゴールデンウィークという本当だったらゆっくり休んだり、旅行をしたり、また普段より多くバイトできる大切な時間を後輩たちのために提供してくれました。
今、アメリカの代表団、SAの皆さんにはもちろんのこと、その他、かかわってくれた方々には「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。
不安でいっぱいの気持ちを伝えてくださった新保護者の皆さん、ありがとうございました!
高校交換留学生に大切なABC
アメリカでは、高校交換留学プログラムを実施する団体に対し、高校交換留学プログラムの運営遵守項目に加え、ホストファミリーや受入高校の選定方法、留学生に守らせなくてはいけないルール、そして留学生に指導すべき項目等が国務省により定められています。この「留学生」とはアメリカに来る全世界の高校生たちを対象にしたものですが、指導方法は留学生たちの育った文化によって変えていくことが必要だということを、オリエンテーションならびに保護者会でアメリカの代表団から何度も繰り返し語られました。
その際、例に用いられたのが「高校交換留学生に大切なABC」でした。
「日本からの留学生はA、Bともに全く問題なし、しかし、Cはいつも大きなチャレンジだ!」という代表の言葉に今年も頷くことしかできませんでした。また、AやBを重んじるが故に、例えばホストファミリーと問題が生じた際も自分から状況をコーディネーター等に発信しないなどCを封じ込めてしまうというのも日本人留学生の特色のようです。留学した国の文化に自分をあわせて過ごすという体験は、ABCすべてを自分のものにすることができるステップになるはず。日本の団体もあきらめずにバランスの良いABCを伝えていきたいと心から思いました。
保護者会@東京&神戸
東京、神戸の2か所で実施した保護者会では、留学中の我が子を想う保護者の皆さんの気持ちが私たち団体に向けて矢のように飛んでくる感覚を味わいました。毎回、保護者会で得ることの情報と緊張感は、自分たちが実施しているプログラムの今後の運営に大きく役立っています。今回も参加保護者より、反省すべき点、今後の改善点等、ご指摘を受けました。
ある保護者の方からは、ホストファミリーとの関係はすべてうまくいっていたが、食事に問題があったとのご報告がありました。お世話していただいているのは、1日中働いているシングル・マザーのお宅で、彼女はお料理をほとんどしなとのこと。そのために食事はファーストフードが多く、「うちの子は、文化の一環としてアメリカの食生活も楽しみたいと期待していたのに…」という残念な思いを語られました。
BIEE: | 「アメリカにはファーストフードが夕食という家族もたくさんあり、それもアメリカの文化です」 |
保護者: | 「そうであれば前もって説明してほしかったです」 |
BIEE: | 「出発前のオリエンテーションでも留学生全員に何度も説明し、保護者会でもお話ししたはずですが…」 |
この会話があった直後、アメリカの代表が本部に連絡を入れ状況を確認してくれました。「確かに留学生の滞在しているファミリーはファーストフードが食事になることは多いが、冷蔵庫の中に食材を用意しており、留学生には好きな物を作って食べていいと伝えている。しかし、留学生がそれをしないようだ」とのこと。アメリカの代表からその旨保護者に伝えたところ「彼女はお料理ができない」という説明がありました…
私たち日本の団体の大きな反省点は、もっとしつこいくらい何度も食生活についての違いを説明し、また、自分で少しでも何か料理できるように留学前に練習しておくことをこれまで以上にはっきりと伝えるべきだったということです。
保護者会を終了し、翌朝の連休明けの月曜日に関西から東京に戻る時、新幹線ホームである光景を目にしました。そこでは20歳前半の娘さんとそのご両親が東京行き始発の列車を待っていました。楽しそうに談笑するのを見ながら「家族3人で旅行かな?」と思っていたところに、ホームに新幹線が入ってきました。すると、お父さんは急いで売店に走り、コーヒーとお弁当らしきものを持って戻ってきて娘さんに渡しました。お母さんは持っていたバックからお弁当箱を出し、これまた娘さんに手渡していました。「ありがとう!」と嬉しそうにこれらを受け取り、彼女一人で新幹線に乗車していきました。列車に乗った後、娘さんは指定席には行かず、入り口でずっとご両親に手を振っていました。そして出発。ご両親は列車が見えなくなるまで手を振り続けていたのですが、突然お母様が座り込み号泣、お父様もその横で涙をぬぐっていました…事情は分かりません。ただ、連休が終わるぎりぎりまで実家で過ごし、東京の大学か仕事場に一人で旅立っていく娘さんを思う親御さんの涙だったのだろうと想像できました。国内にいても離れることがこんなに辛く、悲しいという親の気持ち。ましてや海外にそれも1年近く会えなくなる所に子供を送り出す想いは他人には到底計り知れないようなものなのだと思います。見ず知らずの人に子供を預ける留学となれば、寂しさだけでなく、心配や不安も加わります。こんな気持ちでお子様たちを送り出す保護者の皆様たちに私たちにできることは何なのかを改めて考えてしまった出来事でした。