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2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】

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2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】


   10月26日朝5時、羽田空港にオーストラリアからの留学生たちが無事到着しました。飛行機の中でも充分な睡眠をとれず、皆疲れているだろうなと思いきや、全員元気に到着オリエンテーションに参加。原宿・新宿のミニツアーも思いっきり楽しんでいました。「日本の食べ物大好き!」と会場のオリンピックセンターでのランチやディナーも残さずに食べていました。中でもカレーと餅入りの力うどんが人気で、箸を上手に使いながら“ゆっくりと時間をかけて”食事をしている姿を見てちょっぴり安心しました。
2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】
2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】


しかし、オリエンテーション中はハイテンションだった留学生たちも、ホストファミリー宅に移動の時間になると、楽しみより緊張や心配な気持ちでいっぱいになってしまったようです。中には「日本語で言われていることがわからない…日本語で話せない…ホストファミリーはこんな自分にがっかりしてしまうと思う…」と突然泣き出した子もいました。


2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】
2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】


☆彡日本語はやはり難しいですね〜

   文際交流協会では、最低2年以上、本国で日本語を学習していることを受入条件としています。最近は学校で学んでいない高校生たちもYouTubeなどでドラマやアニメを観て会話力を習得して来日する留学生も増えています。「どうしてそんな言葉知ってるの?」と聞くこともしばしば。そんな中、村上春樹の小説が大好きだという留学生は、日本語の敬語に魅せらせたそうな…

私:「日本に来たことはありますか?」
留:「いいえ。みなさま (他の留学生) は日本にいらしたことがありますが、わたくしは初めてでございます」
私:(“そうなんだ”じゃなくて) 「そうですか」
留:「わたくしは たいへん たのしみに しております」
私:「がんばってくださいませ!?…」
*************************************************
留:「あなた様は うさぎ様が おすきですか?」
私:(“うん”じゃなくて) 「はい、大好きです」
留:「あなた様は うさぎ様を 飼っていらっしゃいますか?」
私:「はい、飼っております」
留:「あなた様の うさぎ様は 男性ですか?女性ですか?」
私:(“男性でございます”って言うべき?いや、言わないでしょ、ふつう…) 「男の子です」
留:「お〜そうですか!うさぎ様の お年は お幾つですか?」
私:(“8歳でございます”というべき?いや、通常の会話にしましょう) 「8歳です」

   この留学生に対し「あなたの日本語はちょっと丁寧すぎますね」とアドバイスをしようかとも思いましたが、ここまできちんと日本語を学習している留学生であれば、日本の家族や高校生たちと生活を共にすることで、文語体と口語体の違いを自然に学んでくれるのではないかと期待し、何も指摘しませんでした。1月末に帰国する際、彼女の日本語がどのように変化しているか楽しみです。と同時に「やばい!」や「まじ!」が彼女の口から連発されたらがっかりしてしまうかも…とも思ってしまいました。

2018年冬3ヶ月受入生到着…【2018年11月07日号】


☆彡あるホストマザーからの報告

   留学生が各ホストファミリーに移動した数日後、あるホストマザーからメールがありました。ちょっぴりおっちょこちょいの男の子で、家を出る直前にSuicaがないことに気付いたり、お財布を忘れたり、そして、超がつくほどの“方向音痴”であることが判明した子で、私たちも心配していた子でした。
(留学生名をXXXとして紹介します。)

   ....XXX が 1万円分チャージした Suica は見つかりました!!「Suicaなくしました」と告げられた日から仕事帰りに最寄りの△△駅に届け出がないかどうか聞きに行ったりしたのですが、届け出はなく、ほとんど諦めていたところ、夕食後にもう一度一緒にお部屋を探したらなんとスーツケースの下から出て来ました!新しい Pasmo を購入して1万円チャージしてありますので現在 Suica と Pasmo 合わせて18,000円分くらいチャージされています。
その後、また一悶着ありました。昨日の朝および今朝は一人で△△駅まで歩いて行っているので安心していましたが、帰りに迷子になってしまいました。「△△駅」という駅名を忘れてしまい、一つ手前の駅で降りてしまったとのこと。そこから Google Map を頼って帰ってこようとしたら私も行ったことのない市営の霊園に紛れ込んでしまっていました。私に連絡があったのは、一つ手前の駅を降りてからすでに30分後。それから彼の居場所の地図を送ってもらったり、電話で話したりして自転車で彼の行方を追ったのですが、彼が毎回動いてしまうので、新しい地図を送ってくれる度に全然違う方向に行ってしまい会えずじまい。何とかXXX が別の線のJR〇〇〇駅の周辺を歩き回っていることが判明したため、JR〇〇〇駅から電車に乗るように指示したものの、今度はその駅のまわりでも迷ってしまいました。主人とも連絡を取り合い、今度は主人がXXX がいるはずのJR〇〇〇駅で探し回りました…結局会えたのは彼が手前の駅を降りてから1時間40分後。汗だくの3人でしたが、とにかく無事に発見・保護(!?)できて主人も私もホッとしました。夕食は8時過ぎに作り始めたので遅くなってしまいましたが、献立はお好み焼きだったので、XXX にキャベツを切ってもらって一緒に作りました。娘は塾でおらず、3人で夕食をしましたが、「美味しい!」と言って食べてくれました。主人が Map の読み方などを指導したりして、お食事も楽しくいただきました。今まで一生懸命日本語を使っていたXXX でしたが、昨晩は緊張が取れたのか英語の言葉が沢山が出てきました。そんな変化を指摘され、照れ笑いをした顔が可愛かったです。と言った具合で、ちょっとおっちょこちょいの XXX ですが、一生懸命にやっている彼の姿を見ていると何も言えません。私は思わず彼を抱きしめてしまいましたよ!!主人と二人で「終わり良ければ全て良しだね!」と言ってあげました。今朝は主人のお財布を貸してあげました。そこに Pasmo を入れ、「カードだけでは出さないでね」と指導しました。彼のスマホのメモに我が家の近くの駅、学校に行くときの乗換駅、学校近郊の駅を書かせ、また、紙の地図もリュックに入れました。彼のリュックはポケットが沢山有りすぎて、いつも全てのチャックを開け閉めしながら探し物をしているので、決まったポケットだけ使うようにアドバイスしました。トラブルが少し続きましたが、素直でとてもいい青年です。我々も彼との生活を楽しませてもらっています...


   留学生を預かることは決して容易いことではありません。「もしかしたらもう2度とXXXと会えないのでは思った…」と、留学生を探し回った時の気持ちをホストマザーから聞かせていただきました。他人の子供を預かることの責任、まだ数日間しか一緒に過ごしていなくても何らかの縁あって「自分の息子」になった子に感じる愛情…このような失敗エピソードは留学先でたくさん起こっていることかもしれません。時間が経てば「そんなこともあったな」という小さな思い出になり、留学生から保護者の方々には報告されないこともたくさんあることでしょう。今回無事解決した迷子事件もオーストラリアのご両親には一切知らされていません。


「息子/娘のホストファミリーはハズレだった!」
「ホストファミリーが自分の息子/娘をきちんと面倒見てくれていない」
「ホストマザーは育児放棄しているとしか思えない…」
「ホストファミリーはロシアンルーレットと同じ。ハズレることもある。うちの子のケースがまさにそれ…」
これらは留学先のホストファミリーに不満を募らせる日本からの留学生の保護者の方から頂いたコメントです。確かに保護者の方にとっては、大切な我が子に対し、ホストファミリーが自分たちと違う接し方をしていることに不安を感じてしまうこともあるでしょう。でも…ホストファミリーの方々も、日々の生活の中で預かった留学生を精一杯お世話しようとし、報告されていない小さな出来事の中で、愛情をもって接してくれていることがたくさんあるのではないではないだろうか…今回のホストファミリーの方からの報告を読んでそんな感想を持ちました。


   留学生たちには、ホストファミリーの方々が部屋や食事の提供だけでなく、どれだけ自分たちのために時間を費やし、心配し、愛情を与えてくださっているかを気付いてほしいと願っています。そしてホストファミリーの皆さんにはただただ感謝の気持ちで一杯です!本当にありがとうございます!


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