高校交換留学生の不安 留学先の学校で友達ってできるの?【2019年06月07日号】
高校交換留学生としてアメリカ・オランダへの出発を間近に控えた高校生、そして近い将来、交換留学プログラムに参加希望の中高生たちが不安に感じることの一つとして「留学先の学校での友達の作り方」が挙げられます。「全く知らない人たちが住む外国で友達はできるのだろうか?」これは実際に高校留学を体験した誰もが留学前に心配したことではないでしょうか?学校初日「だれと一緒にランチを食べればいいんだろう…」と気がかりで、ランチ前の授業に集中できなかったというエピソードも聞きます。
今回、アメリカ、オランダでの高校交換留学生活がカウントダウンに入った参加者のアンケートの中から「友達の作り方について」の回答をご紹介します。方法はさまざまですが、共通しているのは以下の3点ではないかと思います。
- できる限り人とのかかわりを持とうと努力したこと。
- 自分から行動したこと。
- 苦労、失敗を恐れずに前に進んだこと。
また、部活に積極的に参加して友達作りに成功したという回答も目立ちました。参加した部活・クラブについての回答もご紹介します。
留学生レポートVより(そのA) 参加した部活・クラブは?
- サッカー:本当にたくさんの友達ができた。
- サッカー:最初のシーズンだったので、緊張していて静かだったけれどみんな最高にやさしくて本当に楽しかった。
- サッカー:女子サッカーチームで、秋のシーズンでプレイした。たぃさん友達ができて、初めの学期に参加できてよかった。
- トラック&フィールド:円盤投げをした。男女の友達がたくさんできた。
- トラック&フィールド:たくさん新しい友達ができたり、練習もmeetも本当に楽しい。
- フットボール:始めたての頃はhittingとか全然できなかったが、やっていくうちに楽しくなった。College footballを見るのも楽しかった。
- バレーボール:そこでしか味わえない緊張感や楽しさがあった。
- バレーボール:とても楽しくて、入ってよかったなと思っている。親しい友達ができたのもクラブのお陰だと思う。
- バレーボール、バスケットボール、トラック:放課後に毎日練習があった。どのクラブも少しハードで、誰かが簡単なミスをすると全員でプッシュアップなど大変な時もある。しかし、チームメイトと共に頑張ることはとてもやりがいがある。友達が練習方法を親切に教えてくれたりで感謝。
- バスケットボール:日本の部活動と比べるとかなりゆるい。
- テニス:とにかくテニスを楽しんだ。毎回試合が楽しみだった。
- テニス:メダル3個、トロフィー1個をもらえた。日本ではそこまでうまくないが、この学校での私のレベルは世界大会レベル!シーズン中はすごく忙しかったが、それもよい思い出だ。
- テニス:Districtのトーナメントで1位になり、Regionalトーナメントまで行くことができた。トロフィーやメダルがたくさんとれたので嬉しい。テニスについて書きたいことはたくさんある。最初はいろいろ不安だったが、放課後の練習は日本とは正反対で、ゆるーく楽しくできました。
- 野球:とても楽しく過ごせた。
- パワーリスティング:全くの初心者だったけど、違う世界すぎてとても面白かったです。
- ラグビー:他の学校にも友達ができた。
- K-popダンス:同好会のような感じ。メンバー全員優しくてやめた後も仲良くしてくれている。
- キークラブ:奉仕活動。
- シアター:Happy Days New Musical” “One Flew Over the Cuckoo’s Nest”に出演した。
- UIL Mathematics(数学):大きな大会が始まるまでは、毎月ある招待試合とそれに向けた週2回の練習が中心だった。補習の数学の授業みたいなものだが、先生がとても面白く、毎回楽しかった。インターハイに向けては選抜チームだけの補習になり、州大会の一歩前まで進めた。大会の遠征、Thanksgivingパーティーなど、とても充実していた。
- UIL One Act Play(演劇):大会に向けた放課後練習とクラスがあった。友達との絆がとても深まり、大会後に校外学習でSan Antonioの遊園地にみんなで出かけたり、Fundraiserとしてランチで食べ物を売ったり、大変な練習以外にも楽しいことをたくさんした。
- Marching Band:ひたすら忙しいし、大変。でも濃い時間が過ごせて知り合いもたくさんできて後悔はしていない。
- Marching Band:テナーサックスを吹いていた。Marcherとして出場し、ほぼ前大会でファイナルまでいった。
- Wind Symphony:少人数の吹奏楽のようなもので、大会に出たり他地域にバンドトリップに行き、ニューオリンズの大会では1位をとれた。
- Choir:ただ歌っているだけだが、楽しかった。
- インターナショナルクラブ:週1回ランチタイムに行われる。他国のゲームをしたり、食べ物を食べたりした。
- キックボクシング:それ自体が楽しいのはもちろん、練習相手とたくさん話せる。(@オランダ)
- テニス:すごくリフレッシュできる。(@オランダ)
友達作りの方法は?最も苦労した点は?
- 課外活動に参加することによって友達をつくった。
- サッカーやラグビーなどのスポーツを通してできた友達とは親しくなれた。
- 友人がたくさんできたとは言えないが、バレーボールクラブを通して親しい友人はできた。スポーツを通してできた友達なので言葉の壁がなかった。
- 部活(陸上)を通して年下の友達もできた。
- クラブを通じてたくさんの友人を作ることができた。
- 最初はスペインからの留学生がたくさん友達を作っていて自分と比べてしまう時が多かったが、自分にもたくさん友達がいることに気づいた。部活が始まってからは、たくさん自分から話しかけたし、廊下で会っても声をかけるようにした。「SNSも交換して仲良くなった!」と思ってもそれからは話しかけられないことも多かった。自分から話しかけないといけないと学んだ。
- 学校初日に話しかけてくれた子が今一番仲良く、お泊り会をよくする。その親友の友達を通してさらにたくさんの友達ができた。
- 毎日スナップチャットで話して、春休みには”I love you and miss you!”と毎日スナップを送ってくれるような親友ができた。友達を作る時に気をつけていたことは、笑顔を忘れないこと。そして、日本について聞かれたら答えられるように少しだけ学んだ。とにかくノリをあわせて楽しんだ。発音のせいで言っていることが伝わらなかった時は本当につらかった。
- カフェテリアで友達と同じテーブルでランチを食べ、友達と同じクラスを取って近くの席に座ったり、同じグループに入り、友達と映画を観に行ったり、レストランに行ったり、友達の誕生会に積極的に行ったりした。初めは自分の英語力に自信がなく、身長を気にしてしまったり、少し萎縮していたことが多かった。でも”Do you need help?”と声をかけてくれる子がいて、安心して学校生活を過ごすことができた。
- 同じ授業をとっているクラスメートに初日から声をかけ、困ったときに助けてもらったり、恋バナをしたり、くだらない話ができる友達ができた。特にたくさん声をかけてもらうとかはなかったので、自分からガンガンあたって砕けろ精神でやってきた。
- 5回くらいランチのテーブルを移った。みんなが一緒に食べてくれるような学校で、初めから恵まれてはいたが、居心地の良い場所を探すのにはとても時間がかかった。ベストフレンドを作るのには日本でもたくさんの時間がいるのに、たった1年で居心地の良い友達を見つけられたことはよかったと思う。
- 同じクラスでたまたま近くに座った子と今はほぼ毎週のように遊んだり、sleepoverしている。この他にも、同じクラスである程度、席の定位置が決まると近くに人と話すようになって仲良くなったことが多い。苦労したのはリスニング、遠慮なくとにかく早口。最初はただ笑ってただけだった。
- クラブを通してできた友達が一番親しくなれた。同じ目標・趣味を持っていたことと、みんなフレンドリーだったので、すぐに仲良くなれた。また、クラスを一緒に取っている子は、テスト前に集まって勉強したり、宿題を一緒にやったりするうちに共通の話題を見つけて仲良くなれた。あとは、スクールバスが同じこともいつもお喋りをしている。友達作りはそんなに苦労しなかったが、強いて言うなら2学期に入ってからは、友達が少なくて何とか仲良くなろうとしていた1学期に比べて、友達作りに対する意欲が薄れてきて、まあ友達はもう十分いるしいっかと思ってしまい、新しい友達は1学期ほどできなかった。
- はじめはなかなか親しい友達ができなくて悩んでいたが、「このままでは...」と思い、思い切ってクラスを変更した。勉強系のクラスからコミュニケーションが取れそうなクラスに変えたところ、1日で親しい友達ができた。
- ファミリーの親戚の女の子と仲良くなり、そこからランチなどで一緒に過ごす人との交流関係が深まった。
- 一番仲の良い女の子は、毎回陸上の練習後に家まで送ってくれるので本当に仲良くなれた。また、Instagramやsnapshotでは、同じ学校だけれど話したことのない子などがメッセージを送ってくれたりして仲良くなったり、クラスが同じなら毎日のように話して仲良くなれた。友達作りで苦労したのは、Hiと言っても気づいてもらえなかったり、話をしていてもスラングがわからないことがあったこと。
- ランチタイムやPEの時に会話をし友達を作った。
- 親しい友人ができるきっかけは、思いもよらないところから出てくるとしか言えない。部活でできた友人もいるが、今特に親しくしている友人は、たまたま話しかけられて電話番号を交換し、テキストしているうちに仲良くなって、朝、授業前にお喋りしたりするようになった。
- ランチの時間のメンバー、日本のことに興味を持って話しかけてくれた子、韓流が好きな子等と友達になった。最も苦労したのは、大人数の会話についていくことと、どこかに遊びに行く機会を作ることだった。
- 一番仲の良い友達は、たまたま家が近かった子で、遊ぶ時も気兼ねなく送り迎えなどもお願いできている。大人数だと考えているうちに話が進んでしまうので、1対1の時に積極的に話すようにしている。
- 「日本語ならもっとフレンドリーにできるのに」「日本語ならもっとスラスラ話せるのに」と言葉の壁を感じ、暗い気持ちが押し寄せてきて落ち込んだこともあったが、学校外で一緒に遊びに行ったり、共通の話題(韓国)について話したりして友達になっていった。
最近、高校交換留学参加希望者の面接の時、留学先の希望とその理由を聞くと「〇〇〇国に行きたいです。私はシャイで人見知りなので、友達を作るのが苦手です。でも、〇〇〇国はみんなが親切で、知らない人にも声をかけたり、お世話をしてくれると聞きました。だから皆、私の友達になってくれると思うので〇〇〇国を選びました」と答えた高校生がいました。「どこの国に行っても親切な人はたくさんいます。でも相手が何かしてくれることだけを期待し、待ち続けていたら、いつまでも友達はできないと思いますよ。高校交換留学生として成功したければ、自分のシャイな部分を何とかして克服して自分から友達を作ろうという強い気持ちを持ち、そのためにどんな行動ができるか考えようとしなければ、どの国に行っても難しいかもしれません…」とアドバイスしました。 改めてもうすぐゴールにたどり着く高校交換留学生の皆さんの頑張りは誰にでもできることではない、と痛感しています! 友達作りも「自分から動くこと」「努力すること」が大切です!
今、BIEE事務所へのアプローチに色とりどりの紫陽花が咲き誇っています。毎年、紫陽花の季節になると1年を振り返り、来年以降の高校生交換留学プログラムにかかわる様々なことを考えることが習慣になっています。 紫陽花を見ながら海外で頑張る高校交換留学生を想っています…。
植えられた土壌の酸性度によって花の色が変わる紫陽花を見ながら、日本から苗の頃に送られた高校生たちが、海外の地で、日本にいた頃とは違うどのような色の花を咲かせているのかを想像するのは一番楽しい時間…アメリカで頑張った交換留学生の皆さん、成田空港でお目にかかれること、楽しみにしています!Have a nice trip!!