高等学校等における国際交流等の状況について=受入れ=【2019年11月27日号】
前回に引き続き、文部科学省から発表された「高等学校等における国際交流等の状況について」より海外からの留学生の受入れの現状について触れたいと思います。
平成29年度、高校生交換留学短期受入プログラム参加者(滞在期間3か月未満)の総数は3,448 人で、出身国・地域は47か国にわたっています。その中で最も多いのはオーストラリア(764人)、アメリカ(582人)、韓国(422人)、台湾(369人)、中国(138人)でした。
また、3か月以上の受入れ総数はのべ2,621人で、平成27年度の調査時より474人の増加となっています。出身国・地域は55 か国・地域にわたり、出身国・地域別で最も多いのは中国(1,215人)、タイ(198人)、アメリカ(144人)、韓国(137人)、ドイツ(118人)でした。
学校訪問や教育旅行で来日する人数は増加しているようですが、一定期間以上、異文化での家庭生活や学校生活を共にする短期受入れ、長期受入れプログラム同様、日本から海外へ渡航・留学する高校生の数と比較するとまだまだバランスがとれているとは言えません。これから日本が直面していく「多文化・多民族混住の時代」を作り上げていく高校生たちにとって、海外からの同年代の若者を短期間でも自宅や自分の学校に受け入れるという経験はプラスになるのではないでしょうか。
高等学校等における海外からの高校生の受入れについて
●出身国・地域別研修旅行生数の推移(3か月未満)
●出身国・地域別留学生数の推移(3か月以上)
文部科学省初等中等教育局国際教育課調査結果より抜粋
高校交換留学受入生日本到着!「14時間遅延」もあまり気にならなかったようです! 私たち文際交流協会も例年通り、高校交換留学長期・短期の受入れプログラムを実施しています。今回の留学生たちの出身国はオーストラリアならびにニュージーランドです。10月末に到着したオーストラリアからの留学生たちは、搭乗便が約14時間も遅延して到着。朝5時到着予定が夜7時過ぎになり、それぞれのホストファミリーへの移動の動かせない予定もあるため、到着オリエンテーションのスケジュールも急遽変更せざるを得ない状況に。でも到着した留学生たちは、何事もなかったように大きなスーツケースを押しながら笑顔でロビーに出てきました。「14時間も出発が遅れたら、日本人ならきっとイライラするだろうな…」と、改めてのんびりゆったりしたオーストラリアからの留学生たちに「違い」を感じてしまいました。
@オリエンテーションにて感じたこと 今回オリエンテーションで一所懸命頑張っている留学生たちを見ていて強く感じたこと、それは、ほぼ全員がスマホでネット辞書を使いこなしていることです。今回、電子辞書も紙の辞書も使っている留学生はいませんでした。数年前、海外に派遣する日本からの留学生たちと「電子辞書vs紙の辞書」について話し合ったことがありましたが、これからは「スマホvs電子辞書」が議題でしょうか?
ここ数年、日本の食事についても知識をもって来日する留学生が多くなりました。以前は「好きな日本食は?」と質問すると「寿司」「天ぷら」「ラーメン」という回答が多かったのですが、最近は「うどん」「お好み焼き」「かつ丼」「たこ焼き」「やきそば」「カレーライス」「焼き鳥」「餃子」…とバラエティに富んだ答えが返ってきます。修学旅行や旅行等で以前、日本に来たことがある留学生が増えたこともありますが、日本の食文化が広がりつつあることで、地球が狭くなったなと実感します。
日本での生活を通し、日本や日本人を大好きになってくれることを祈りつつ…
次回は「受入プログラム」で私たち受入側団体やコーディネーターの方々が体験したエピソードをお伝えします!!