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Akikoのインディアナ州-アメリカへの高校生-留学-体験談6ヶ月目|高校留学ブログ日記

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Akikoのインディアナ州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 6ヶ月目

 

   2016年への年越しをアメリカで迎えた。

今月は、あっという間に終わったと感じられた。

年越しは、たくさんの留学生、今回は15人ほど、とローカルコーディネーターの家に集まって迎えた。それぞれの国の食べ物を持参して、食べて、ゲームをして、たくさんしゃべって、大声でカウントダウンをして…大いに盛り上がった年越しだった。日本ではお正月はとても大きな行事だが、アメリカでは、日本のようにおせち料理、お初参り、お年玉といったような目立った行事は特にない。多くの留学生と盛り上がった年越しであったけれど、一方で、日本のお正月が少し恋しくなった。

ウィンターブレイクが年明け一週間後に終わり、最終学期(二学期制のため今学期が最終学期)が始まった。取っている教科は、ENGLISH-11、U.S.  History(米国史)、化学、3Dアート、栄養学、数学。1学期とほぼ同じ教科を選択したので、新しくて、大変なことは今のところは特にはない。

今月の一番心に残った出来事の一つは、U.S.  Historyのクラスで第二次世界大戦、太平洋戦争について1か月かけてアメリカで授業を受けたこと。今日は2月6日土曜日だが、昨日まで、学期の始まりから毎日、この単元について学んだ。日本と違い、毎日同じ授業スケジュールなので、毎日U.S.  Historyのクラスがある。太平洋戦争は日本とアメリカの間での戦争。一アメリカ人生徒としてこの授業を受けられたことは、今まで自分が日本人として日本で習った時とは別の視点から歴史を学ぶことができた特別な経験だった。クラスは基本、教科書を家で読み、先生がパワーポイントで簡単に説明をし、ディスカッションと映像を見ることを中心に行われた。ディスカッションでは、アメリカ人が日本との戦争についてどのように感じているかがわかるとても良い機会だった。一日本人として、授業ではなるべく発言しなければと責任を感じた。ディスカッションではアメリカ人生徒の生の意見を聞けた。たくさんの当時の映像は、授業にリアリティーをもたらした。日本では、教科書中心で先生が話すのを聞くという授業体系が多く、授業で聞いた事を暗記するような勉強の仕方をしていた。しかし、アメリカでのディスカッション授業を通じ、起こった出来事について深く考えるようになった。ただただ、出来事を「文字で暗記」するのではなく、60−70年前の歴史を「考えて理解」できた授業だった。こういった文化的背景があったから、こうこうこういうことが起こったなどなど。 アメリカ人生徒とのディスカッションはアメリカ人的な考え方を知れる良い機会でもあった。また、一度日本で学んだ「太平洋戦争・第二次世界大戦」という単元を違う国で学んだことで、そもそもの日本での学び方とアメリカでの学び方を比較し、日米の教育の違いに気が付けた良い機会でもあった。

太平洋戦争を学ぶのと同時並行して第二次世界大戦についても学んだのだが、すごいことに同じクラスにはドイツから、そしてフランスからの留学生がいた(両国は、第二次世界大戦において、キーとなる重要な国)。ドイツから来た16歳の留学生、ラナード。彼はドイツからの奨学金を得て1年留学しているのだが、彼の授業中での発言回数はクラスの誰よりも多かった。「知識」もとてつもなく豊富なのだが、彼は第二次世界大戦で起こった出来事をとても「理解」しており、彼の発言は、教科書にない以上の、先生が知る以上の情報をクラスにもたらし、皆の授業理解をとても深めた。ドイツでの戦争中の政策についてや、当時のドイツの人々の考え方など、クラス中の理解がとても深まった。同い年とは思えない発言力で(もちろん英語力もとても高いのだが)、尊敬すると同時に自分が彼のように発言できないことが悔しいと思った。自分が日本から来た留学生として、この単元では必ず発言をしなければという責任を感じたのもそうであり、日本からの留学生としてもっとたくさんの事をアメリカで伝えなければと思った。教科書を読み込み、インターネットで下調べをしたりと、このクラスのためにほんとに勉強した。

家で勉強するのも大事なのだが、アメリカではクラスでの発言が評価される。「先生の話を聞き、ノートを取り、暗記する」のではなく「どれだけ授業内で発言をし、ディスカッションに参加するか」が評価される。

授業中に発言するのは、自分にとって容易ではなかった。発言するとき、日本人はアメリカ人やヨーロッパの人に比べ、周りをどうしても気にする。私ももちろん例外ではない。自分の意見を周りがどう思うだろうか、気に障るだろうか、正しいだろうか…自信を持てず、躊躇して、わかっているのに発言できないことが何度もあった。授業で発言したかったことを先生に授業後、クラスに残って話すということが何度もあった。「クラスで発言する」のではなく、「授業後に先生と話す」という形で、自分が事前に調べたこと、日本人として知っている知識を先生とだけ共有していた。

嬉しいことに、今月私は、学校で賞を受賞した。「ソーシャルスタディー部門賞」といって社会科関連のクラスを受けている生徒の中から、クラスにのぞむ態度、リサーチペーパーなどによって、学年で一人ずつ生徒が選ばれる(recognizing outstanding students for citizenship, attitude, leadership and behavior )。単元ごとに教科書をまとめ、まとめたノートを宿題として提出したりと、宿題への取り組みやリサーチペーパーへの取り組みは誰よりもきちんとこなした。おかげでテストの点数は毎回よく、1学期のこのクラスの成績は満点近かった。留学生の受賞は初めてということもあり、多くの人が、 「おめでとう!」といってくれた。自分でも嬉しかった。

学校にいる留学生みな仲が良く、一緒にU.S. Historyの授業を受けているドイツからの留学生ラナードともそれなりに仲がいいのだが、私の賞を聞いた後、彼は[おめでとう]と言ってくれた。[おめでとう]と言ってくれたものの、「あんま授業中話さないじゃん。(You don’t really talk in the class.)ジーと座って話聞いて。(You are sitting and listening a teacher.)授業後残って、先生にいろいろ聞いたり、話したりしてるし(after class, you stay the class,  talk and ask a teacher.)」と言った。彼は普段しゃべるように、普通に軽く、笑い飛ばしながらそう言ってきたものの、「私は授業であまり発言せず、先生の話を座って聞いているだけだ」、と指摘されて悔しかった。彼の言っていることの裏を返せば、彼こそが受賞すべきだということだろう。授業中発言して、クラスに何かをもたらす人こそが受賞すべきということだろう。とても悔しかった。けれどよく考えてみると、彼の言っていることはかなり正しいと気づいた。「この単元では発言しなければ」と予習して、教科書を読んで、下調べをして、授業で発言するために事前に準備をしてきた。けれど先生の質問内容を理解し、答えられるにも関わらず、私に授業で発言する勇気がなくて、授業後残って、発言できなかったことを先生に話に行って、自分の考えをクラスで共有できない、ということがたくさんあった。私の意見を先生に伝えることができても、クラスの人には伝えることができていない。彼から見れば、私はほとんどクラスで発言していないも同然。ドイツでは授業中での発言が重視され、彼の学校では成績の60%を占めるそうだ。悔しかったけれど、確かに彼の様にクラス内で発言できていないし、躊躇することもたくさんある。

彼に言われたことは悔しかったが、それと同時に、私の「発言しない」という逃げる姿勢を正し、日本人的な周りの目を気にするという殻を破ってくれた。賞を受賞した後の、留学生ラナードとの出来事は、1月が終わる1週間ほど前の事だった。(つい昨日、第二次世界大戦と太平洋戦争の単元を終えたのだが)今週この単元も終わりに近づき、原爆についてのディスカッションがあった。ディスカッションの議題は、「原爆投下は正しい選択であったかそうでないか」。真っ先に手を挙げた。先生が私を最初に指名してくれ、真っ先に発言した。あとになって「こうも言えたな、こうも言えたな」と頭の中で自分の発言を修正したりと、多少の後悔はあったものの、今までの中で一番うまく発言できた。今までで一番後悔が少なかった。本当にそうしてクラスで発言できたことが嬉しかった。賞を受け取った時よりも、何倍もうれしかった。

授業でうまく話せるようになるには、繰り返し繰り返し、何度も何度も発言して後悔して…段々とうまく話せるようになる以外に方法はないなと思った。自分が留学しているアメリカでは、発言して初めて認めてもらえるアメリカの社会であるから、もちろん日本人としての文化、「相手の事を気にして、気遣って、敬う」ということも忘れてはならないが、日本人としての殻を破らないといけない時もあるのだと気づいた。

この1か月のU.S. Historyのクラスは、私にさまざまなものをもたらした。自分が今まで日本で学んだ視点とは、違った方向(アメリカ、ドイツ、フランス)からも歴史を学び、興味深いクラスを受けることができた良い機会であった。そして、アメリカ、ドイツ等の他国の文化を知り、日本との文化の大きな違いに気づけた。アメリカで教育を受けるということは、アメリカの文化の下で教育を受けるということであり、日本文化との違いを受け入れなければいけない。この一か月のU.S. Historyのクラスでの「発言する」ということを通じて、他の文化を受け入れることの必要性と、それがどれだけ大変なことであるのか、肌で感じ、知ることができた。

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