Akikoのインディアナ州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 9ヶ月目
9か月目。留学中最後のレポート。最近、自分が感情的になっていることがわかる。もうすぐアメリカを離れる、ということが、頭の中を支配しているような感じ。アメリカを離れたくない気持ち、日本でみんながどうしているのか気になる気持ち…自分が何したいのかよく分からなくなったり、自分がどこで何しているのかよく分からなくなったり、突然理由もなく泣きたくなったり。「まだ一か月もある!」と、最後の最後まで楽しみたいのに、ほかの留学生が早くにアメリカを出発したり、学校がもうそろそろ終わるため、友達とたくさん思い出の写真とかをとるようになったり、自分も部屋のかたづけを少しずつし始めたり、友達ともすぐアメリカ離れるから、パーティーしたり、どうしても、あと一か月でアメリカを離れてしまうということから意識が抜け出せない。夜眠れない日が多くて、二階のベッドから抜け出して一人で一回のソファーで1時間ぐらい泣いたり。一人になると悲しくなって、突然泣いたり。
一方で、学校にいるときは友達とはしゃいで、バカになってジョーク言い合ったりするのが楽しすぎて、笑いこけて、授業中もただただしゃべって過ごしたり(ほんとはよくないけど(笑))、留学生たちの部屋、というのがあって、みんなただただその部屋に来て、しゃべってはしゃいで、大笑いして…みんな変なテンションで、毎日、狂ったように学校が楽しい。こんなに学校に行きたいって思ったのは初めて。学校に行って、友達に会いたいってこんなに思うの初めて。5月に入ってからはこんな感情的な毎日・・・・
このレポートは4月分。日記を見返してみると、本当にたくさんのイベントがあった。トラック、留学生と3泊4日のフィールドトリップ、プロム、アメリカ最後のスポーツシーズン、陸上、トラックが3月の終わりごろに始まり、4月からは本格的な練習やレースがスタートした。長距離は、みんなでしゃべりながら走れるのがとても好き。ケガをしてしまい、ここのところ毎日バイキングの日。でもそのおかげでケガ組で学校の周り一緒にバイクして結構楽しい。スペインからの留学生で15歳のIRENE もケガして、最近は二人でずっとバイク。ほんとマイペースで、とてもおしゃべり。ほんとに楽しい子で大好き。自分もマイペースだから、二人ともたまにカッとなるけど、それもまた楽しい。”Akiko, don’t go fast, OK? (どんどん先行かないでね)”とバイクする前にいっつも聞いてくる、けれど最後の方は結局、IRENEが先に行っちゃう。私が「待って!」って叫ぶたびに、”プッシュ!カモン!”ってどんどん先に行っちゃう。スペインのアクセントもあって、しゃべってるとほんとに楽しい。コメディーに出てきそうな性格でほんとに面白くてかわいい。フランスからの留学生に聞いたところ、スペインの人はほんとによくしゃべるそうで、IRENEもすごくよくしゃべる。1時間目のENGLISH−11で隣の席に座るようになってから、彼女とはとても仲良くなった。授業中もただただしゃべる。「よくそんなにしゃべれるな」って思うほどよくしゃべる。プロジェクトがあって、提出しなければならない時、「終わらない、終わらない、まだ私高1だから(このクラスは高2のクラス)これはできないよ、どうやってやればいいのかわからないよ」ってずーっとしゃべっていて、「そういっている間にできるじゃん!」と、突っ込みたくなる。話していて全く飽きない、ほんとに面白い子。ある日、そのクラスで「私、朝方じゃないの。眠くて全然しゃべれないの。」と言われたときは、さすがに「そんなことないよ!」と突っ込んでしまった。IRENEとは、一緒にいるだけで楽しくなってしまう。あと1か月で、彼女と今みたいにあえなくなってしまうと思うと悲しすぎる。
私の地域に、総勢27人、21か国からの留学生のグループがある。今月はそのグループでの最後のフィールドトリップがあった。3泊4日で、1日目はインディアナ州の県庁所在地のインディアナポリスを訪れ、州議会議事堂、裁判所、州の博物館などを見て回った。インディアナ州は州の支出のうち、教育への投資の割合が一番多いという。その次が、公共投資。教育はのちの世代を担う重要な部分であり、一番投資をする必要があるとの説明を聞き、そのことで、その日行ったどの場所よりも深く印象に残った。アメリカは、「アメリカ合衆国」という名前の通り、一州ごとの独立性が強く、州ごとに、取る政策も大きく違うことがある。教育のシステムに恵まれたインディア州に留学できたことはラッキーだと思う。
少しフィールドトリップの話からずれてしまうが…私の学校では、生徒1人1台iPadを与えられ、授業をiPadを使用した授業を行う。eBackapckというシステムを用い、インターネット上で先生と生徒がいつでもつながっており、宿題の提出、返却なども、そのシステム上でデジタル化したままの情報で行うことができる。全てのインディアナ州の学校がそうというわけではないのだが、州の半分以上の学校が、生徒1人1台がiPad を使った、教育を受ける1:1というシステムを取り入れており、インディアナ州は、教育に投資をし、最先端の教育を取り入れている州と言ってもよいのではないかと思う。日本のICT (Information and communications technology - or technologiesの略)授業についても調べてみたけれど、生徒一人一台のディバイスの使用は、政府による実験的な導入にとどまっている。
1日目のインディアナポリスから移り、2日目から4日目はミズーリ州のセントルイスという都市へ行った。セントルイス初日、シンボルであるアーチを訪れた。そのほかにも、動物園など、アメリカに来て以来、初めてたくさん歩いた。みんな一日の終わりには死ぬほど疲れていた。夜ホテルのプールで泳いで、またほかのグループの留学生とも合流して、みんなでワイワイと盛り上がった。3日目は動物園行って、ナチュラルパークへ行って、農場行って…日中は30度を超える真夏で、しゃべりしながら最高の天気の中、歩いた。夕食でいったレストランは、過去訪れた中で一番のジャンクフードのお店だった。「二人で一つのメニューを頼んで!」という忠告通り、とてつもなく大きなハンバーガー、ステーキ、パスタ。再度ポテトは、大きなお皿に山になって運ばれてきた。最終日は、朝からショッピングモールへ行った。私は結局何も買わなかったけれど、みんなでただただしゃべって、いい一日だった。帰りはローカルコーディネーターのリベッカが運転するバスにみんな乗って、4日間歩き疲れてるのに、大音量の音楽で大声で歌って、ダンスしてはしゃいで、家に着いた時には11時過ぎになる位遅い時間だったのに、バス内は誰一人寝ずに騒いで大盛り上がりした。
プロムは留学生の友達何人かとアメリカ人の生徒と行った。誰が誰と行くとか、どんなドレス着るのとか、プロム前からプロムの話が飛び交っていた。当日は、レストランに行って会場へと向かった。ハイヒール履いて、みんなで大変になりながら歩いて、たくさん写真撮って、行く前からすでにだいぶハイテンションだった。会場では、留学生たちと、そして仲良くなったアメリカの友達と一緒に踊った。あっという間だった。ウィンターフォーマルという冬のミニプラムのようなものがあったのだが、それに比べてあまり盛り上がらなくて残念だったけれど、アメリカのプラムを体験できてよかった。
今月の8日、留学生全員が最後に集まるパーティーがあった。ただただ集まって、しゃべって、食べて、ただそれだけだったけれど、みんなで集まるのがこれで最後だと思うと信じられなかった。こうやってみんなで過ごすのが当たり前で、会えるのが当たり前に感じられるけれど、この一年が終わってしまったら次にみんなでいつ会えるのかはわからない。こうして世界中からみんながここインディアナ州に留学生としてきて出会って、ともに一年過ごせたこと、奇跡なのだと思う。こうした機会に私が恵まれたのは奇跡であるし、光栄なことだと思う。けれど、それが奇跡であるという実感がわかない。ずーっとみんなでこのまま一緒にいるのだ、いつでも会いたくなったら会えるのだ、そんな気がしてならない。ジョージア(グルジアの旧呼称)からの留学生、ゴガは4日前に留学を終えて帰国した。私と同じ学校に通っていた。今でも彼が明日になったら来る気がする。
帰国まであと1か月。自分が感情的になっているのがよくわかる。いろんなことを思う。友達と離れたくない、ファミリーと離れたくない、こっちの生活と離れたくない。でも、日本の家族の事も気になる。自分が2人になればいいのにって思うこともある。アメリカに残る自分のと、日本に戻る自分。こうしていろいろ思うことはあるけれど、なにが一番大事かって、最後の最後まで、アメリカでの生活を、無駄にしないことだと思う。ああしとけばよかった、こうしとけばよかった、って悔いの残らないようにすることだと思う。たくさん友達と過ごして、最後まで思い出作って、ファミリーと思い出作って。だって、この生活には、戻ることは、日本に帰ってからできないことだから。
留学生活中、最後のレポート、最後まで読んでいただきありがとうございました。