Ayanaのニューサウスウェールズ州(オーストラリア)への高校生-留学-体験談 7ヶ月目
こんにちは!!日本では夏休みも終わり2学期がスタートした頃ですね。今年の夏は異常に暑かったようで、少し心配していました。皆さんいかがお過ごしですか?
私は、ついに留学生活も残り2か月半となり、日本の家族や友達にもうすぐ会えるという期待と、オーストラリアの家族や友達ともうすぐ別れなければならない寂しさ、留学生として英語はもちろん、残り少ない中でできる限り吸収しようと、一層濃い毎日を送れているような気がします。
さて、今回も過去2ヶ月間を振り返りたいと思います。
7月からは、3ターム目が始まり、year11 で過ごす最後のタームとなりました。(year12の4ターム目はHSCという試験があるので year11だけ1ターム早く始まります)1タームはだいたい10週間くらいなので、もう少しでyear11も終わります。year12で初めの1ヶ月程過ごすことになりますが、クラスは皆同じものを続けて選択できます。私は、year7 (中1)のJapaneseにもう少し協力したいなと思っていたので、6個選択していた教科からMusicを落としました。Japaneseと言っても先生も日本語を話すわけではなく、生徒もあまり興味がなさそうなので、最後にもう少し日本の文化を紹介できたら良いです。
科目といえば、留学生活7ヶ月が過ぎて、段々日本とオーストラリアの教育方針の違いが分かってきました。オーストラリアのクラスは、英語にしろ、ドラマにしろ、もちろん美術にしろ、全体的に日本よりも芸術的な気がします。例えば英語やドラマでも、本、映画、歌、詩、台本などを読んでテーマに沿ったテクニックを見つけてエッセイを書くことが多いです。ここで大切なのが、そのテクニックが観客や読者にどのような印象を与えているか、どのように考えさせられるか理解することです。日本で書いたことのある英語のエッセイとは全く違ったので、初めは訳が分からず行き詰まってしまうことが多かったですが、最近なんとなく作者や脚本者の意図を少しずつ読めるようになってきた気がします。それと、面白いことに、今まで特に映画や本はすぐ飽きてしまう方だったのですが、エッセイを始めてからはテクニックに注意して観たり読んだりするようになり、以前より興味が持てるようになりました。
ちなみに私のお気に入りの教科は美術です。美術は週に5時間あるうちの半分はpracticeで与えられた課題(portrait, sculpture など)をこなし、残りの半分はtheoryと言って有名なアーティストについて学びます。そして本当にこのtheoryは面白いです。周りの子は皆theoryの時間になると文句を言い始めるので私もそれに合わせて 『えーーやだねーー』、みたいなことを言っていますが、私はこの授業が一番好きです。なぜかと言うと、毎回毎回新しい発見があるからです。授業中はだいたいは皆でアーティストのドキュメンタリー映画のような物を観て、先生がその後、そのアーティストについて説明するのですが、ドキュメンタリー映画も、先生も、ただ綺麗事を言っているのではなく、特に政治活動家のアーティストの場合は、絵画や彫刻、写真を通して、その国の時代背景や組織、コミュニティーに問題提示する形が多いので、今まで自分が持っていた何かに対するイメージや固定観念が覆されることがとても多いのです。この美術の授業もまた、美術や表現の仕方に興味が湧くきっかけになりました。
話は変わりますが、実は8月の初めにインフルエンザにかかってしまいました。その時は大阪から日本人の短期留学生が2週間ほど私の学校に来ていて、少し浮かれていたのかもしれません。結局楽しみにしていたsocialという日本人を含めたディスコ的なものにも行けず、オーストラリアで一度予防接種はしたのですが、違う型だったようで、あまり意識がなかった程、高熱が出て、1週間以上ダウンしてしまいました。おそらくこの10日間程が今までの留学生活の中では最も辛く、一瞬だけ日本に帰りたいと思ってしまいました。でもホストファミリーが熱が出ている間はずっと看病してくれて、本当に感謝しています。それに、休んでいる間に、少し日本に帰ってからの生活について考え始めることができました。身体の調子が狂うとメンタルも崩れやすいので、皆さんも留学する際は気をつけてください。
風邪をひいてからは、今まで怠っていた手洗いやうがいもこまめにするようになり(私の周りの人は誰もしないのです)、睡眠時間なども気をつけるようになって、少しずつ身体も回復していきました。お陰で8月はとても充実していて、二度目のキャンベラ旅行、学校では生徒のシェイクスピアの劇を観たり(ちなみに、英語やドラマの授業では、シェイクスピアは定番です。しかし言葉が古い英語なのでかなり難しいです)、オペラハウスでミュージカルを観たり、それからなんと私のホームステイ先で飼っている犬に赤ちゃんが7匹産まれたりと、楽しいことがたくさんありました。友達や先生とも最近はあんまり気を使わずに話せるようになり、学校に行くのも楽に感じるようになりました。
ここで、最近私が読んでいる”Life Without Limits” (by Nick Vujicic) という本の、私の好きな言葉について紹介したいと思います。この本には、オーストラリアで、手足がないという五体不満足の身体で生まれてきました著者Nickの生き方や考え方が書かれています。もともと彼がクリスチャンということで、ホストファザーにYouTubeで動画を観せてもらったことがあるので彼のことは知っていましたが、本の中身は、思っていたよりも自分も共感できることや考え方や態度を見つめ直させられるものが多くあり、この本は絶対日本に持って帰ろうと思います。中でも特に好きな言葉を紹介します。
”We are all perfectly imperfect human beings” (私たちは完全に不完全な人間だ)
”You don’t have to live up to anyone else’s expectations” (他人の期待に従って生きる必要はない)
” The brave man is not the one who feels fear but the one who conquers it” (本当に強い人は恐れを感じるだけでなくそれを克服する人だ)
”You and I have absolutely no control over what happens to us, but we can control how we respond” (私たちは何が起こるかは本当にコントロールできないけれど、どう反応するかはコントロールすることができる)
他にも心打たれる言葉がたくさんあると思うので、是非Nickの本や動画を観てみてください。
この本だけでなく、7ヶ月を通して私が思ったことは、オーストラリア人は正直な人が多いということと、とにかく皆明るいということです。皆「自分にも他人にも正直だなあ」と感じることが多くあります。例えば、特に学校などでは、友達関係や先生の評価など、悪口というよりは皆何か気に入らない場合はその場でバンバン言います。英語では敬語もないですし、オーストラリアは大人も子供も皆平等という考えらしいので、先生との口論も日常茶飯事です。
そして、皆、嘘はつきません。一番驚いたのは、例えば誰かが課題を終えてこなかったりして先生に注意された時は、生徒は色々誤魔化そうとはせず、昨日は体調が悪かったとか、用事があったとか、最終的に ”I have a life” (私には私の生活がある)と言い始めるのです。それからおそらく日本人よりも感情的になりやすいので、学校で大泣きしている人を見かけることもしばしばありますが、だいたい皆、一度泣いたらすぐに立ち直り、どんな険悪な雰囲気も最後は笑って終わることが多い気がします。
初めは礼儀とか、言葉とか少し乱暴っぽく感じてしまうこともあったのですが、今ではこんなストレスフリーな生活が心地よく感じてきて、流石に日本で同じようには振るまえませんが、日本に帰ってからも少し楽な考え方ができる気がします。こんなオーストラリアでの経験を通して、中学、高校くらいでずっと心に引っかかっていた「視野が狭い」というのと「周りの目を気にしすぎる」という悩みの種も最近スーっと消えてきているように感じます。欠点はあるけれど、それは認めて、人に好かれるように完璧でいる必要はない、そして、順位や功績を気にしすぎて自分の首を絞めるくらいなら、格好つけるのはやめて、できないことはできない、知らないことは知らないと素直になれるよう、まずは少しずつ行動を変えていきたいです。日本に帰ったら、今までは受験のためと思っていた勉強も、今の学校のクラスのように興味を持って、自分の糧にしていけたらいいなと思います。そして、物事を色々な角度から見られる人になりたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。ラスト2ヶ月半、頑張ります。