Hinaのカンザス州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 1ヶ月目
アメリカに来てから、約1ヶ月が過ぎました。今までのアメリカでの生活は、とても早く感じています。
日本を発つ、7月20日の成田空港では、ゴールデン・ウイークに東京で行われたオリエンテーションで出会った友達と再会できた喜びと、これから家族を離れてアメリカに行くんだという不安、また、まだ留学が直前まで来ている事に信じられずにいる自分もいて、とても複雑な気持ちでした。その後アメリカに着いても、自分がアメリカにいるということ、またこれからの1年をアメリカで生活するということを、信じられずにいたことを思い出します。
まず初めに、7月20から8月3日まで事前研修プログラムがありました。その事前研修プログラムは、オハイオ州にあるグランド・リバー・アカデミーという私立高校で行われました。そこには、日本からの留学生のほかに、中国やタイの留学生もいました。またベトナムからも留学生が1人参加していました。8人のスタッフと、グループ別また全体での様々な活動を通して英語を学び、また英語でこれからの留学生活をどのようにより良いものにしていくかなどを学ぶ時間を持ちました。
初めは、他国からの留学生との共同生活に文化の違いを覚え、正直、今後の生活はうまくいくのかという不安な気持ちがありました。また一方で、自分の英語力の低さに気づかされ、もっと頑張らなくちゃ、という気持ちにもなりました。しかしこの事前研修プログラムでは、留学生として何が大切で、アメリカの学校やホストファミリー内での生活、またその中でのアメリカ人との接し方や、自分がどう行動していくかなど、毎日、スタッフたちから学びました。それは、自分が今まで知らなかった知識を、英語で楽しみながら学べるとても良い機会でした。
また、私は英語で自分の思いを表すことや、自分から積極的に人に話しかけることが苦手でした。しかしこの事前研修プログラムで、ネガティブな考えは捨て、とにかく話しかけることが大切だということを学びました。自分の英語力に自信がなくて自分が情けなく思えた時にも、もう留学の決断をしてここにいることが素晴らしいことだ、ということも言っていただき、自分の気持ちの持ち方や考え方まで変えられました。
また、グランド・リバー・アカデミーの生徒たちと一緒に、野球観戦やナイアガラの滝への観光にも行かせていただきました。ただ英語のクラスで学ぶだけではなく、楽しい遠征の活動を通して他国の生徒と関わる中で、たくさん英語を学びました。また他にも、他国の生徒たちと互いの国の言語を教えあったり、楽しい国際的な交わりを持つこともできました。
私は留学前、この事前研修プログラムに参加しないつもりでいたのですが、参加しなかったらどのくらい後悔していただろうと思えるくらい、本当に良い日々を送ることができました。それは、ここのスタッフが心から、私たちにこの留学を通して、本当に中身の詰まった良い経験をして欲しいと思ってくださっていたからです。また同時に、同じアメリカ留学という目標を持った留学生たちがいてこそだと、心から思います。母国語を英語としない生徒たちが、オリエンテーションの最後にはひとつになって、喜びや楽しみ、幸せ、またみんなより先にオリエンテーションを去ってホストファミリーの元へ行かなければいけなかった生徒たちと、涙さえ分かち合えたことがどれほど素晴らしいことなのか実感しました。
この事前研修プログラムを通して、自分に自信を持つことができ、人との違いがあってこそ素晴らしいと思え、自分が自分らしくいられました。また他の国の留学生仲間に出会えたことを、心から幸せに思っています。感謝の気持ちでいっぱいです。
その後、8月3日から6日までの、ミシガンで受入団体のオリエンテーションが行われました。それは、事前研修プログラムに参加していた留学生たちに加え、スペイン、ブラジル、ドイツ、スコットランド、ベルギー、イタリア、ベトナムからの留学生が集まり、国際色豊かなオリエンテーションが行われました。そのオリエンテーションでもまた、グループ別で英語でのクラスが設けられ、留学のために知っておかなければいけない重要な知識を学び、他国の留学生との時間を多く持てました。私は、他国からの留学生たちの英語力のレベルの高さに圧倒されました。英語力に差を覚え、100人近くいる留学生たちに囲まれ、今までに経験したことのないような生活で、留学生たちと上手く馴染めない時もありました。
しかし、みんなでミシガン湖に行って泳いだり、国ごとに行われたパフォーマンスの時間には、アメリカの雰囲気を味わえたような気がします。みんなでステージに上がって踊り、みんながひとつになって楽しめました。
そのオリエンテーションの最終日、留学生たちがそれぞれホストファミリーの家に行くときには、楽しみな中にも、不安と寂しさがありました。日本の留学生とは少なくとも一年、他国からの留学生のほとんどはきっと二度と会うことがないからです。しかし、涙の先に大きな希望が待っていることはわかっていました。私は、世界中から同じ目標を持った留学生たちがこのような形で集ったということは、素晴らしい出会いだと思いました。
その後、私はアメリカの中心の州、カンザス州のホストファミリーの家に数日間ステイさせていただきました。初めて会う、英語しか話さない、自分とは違った文化を持った人のお宅にステイすることは、どんなに緊張することでしょう。また、受け入れるホストファミリーは、英語を母国語としない海外からの留学生を家にステイさせることは、どれほど寛大な心がいったことでしょう。
私は、ホストファミリーと言葉の壁にもぶつかりました。私のちょっとした言葉の取り違えが大きな誤解を生んでしまい、ホストファミリーを傷つけてしまったこともありました。慣れない生活の中で、ホストファミリーに迷惑をかけることも少なくありませんでした。しかし、ホストファミリーはいつも家族の一員として私を気にかけてくださり、いろいろな面で助けてくださいました。私はここでの生活を通して、自分が伝えたいことは何か、また自分がどう家族の生活に適応するべきかを常に考え、感謝の気持ちを持ってそれらを行動に移すことで、状況は良い方向に変わるものだと学びました。
私の通う学校は、スプリング・ヒル・ハイスクールという高校です。8月14日に比較的早く学校が始まりました。英語でのクラス、アメリカ人の生徒や先生との交わりに対する大きな緊張と、アメリカの学校に通うことができるという喜びと興奮は抑えることができませんでした。しかしそれ以上に、夢ではないかと思うくらい信じられませんでした。憧れていた黄色いスクールバス、廊下に並ぶロッカー、アメリカ人の生徒に囲まれ、学校内を歩く度に全てが私を夢から覚ましていっているような気分でした。
アメリカの学校は、日本の校則よりも緩いだろうということは、想像がつくと思います。服装は自由で、授業中のお菓子や音楽も基本許されており、髪の毛は何色でも良く、どこにピアスをつけていても注意されず、またアメリカの学校では、日本と違って授業の前後に挨拶がなく、先生に対しての態度も、それほど厳しくありません。しかしアメリカの学校は、生徒の自己責任を重視した教育だと気づかされました。生徒の勉強に対する意識がとても高いのです。生徒一人ひとりが自分の考えをしっかり持っていて、授業は先生からの一方的な説明や、先生から生徒の発表を促すようなこともあまり多くなく、生徒が積極的に授業に参加する姿が伺えました。
それぞれのクラスでは、初めの授業で宿題が出たものもあり、英語の文章を読んで、わからない英単語を調べ、内容を理解し、自分の考えを英語で表現する…学校から帰った後、4?7時間、宿題に費やす日もあります。自分にとって、どれほど英語での授業や宿題が難しいかは、覚悟していました勉強面で困難にぶつかったとき、ホストファミリーは私を優しく見守り、支えてくださいました。また周りの友達も、授業で先生の言われたことが理解できなかったときなど、気にかけて助けてくれます。もちろんクラスの先生方も、自分の理解できなかった部分を積極的に尋ねれば、とても丁寧に教えてくださいます。自分だけではどうしようもない時、周りの人の助けを求めれば、ホストファミリーも、生徒も先生も、快く力になってくださいます。わからないことは自分だけで解決しようとせず、とにかく尋ねてみることが大切だということを学びました。
また学校に通い始めて一週間と少しが経過し、少しずつ学校生活に慣れてきた今は、それぞれのクラスごとに仲の良い友達も少しずつ増え、毎日の授業が楽しいと思えるようになってきました。仲良くなった友達の中には、日本のアニメや漫画、文化などが大好きな人もいて、日本からのお菓子やお土産を分けてあげたり、名前の漢字を当て字であげたりすると、すごく喜んでくれます。また明日も学校に通うのが楽しみです。
そして8月23日、最初のホストファミリーを去り、留学が終わるまでお世話になる長期のホストファミリーのお宅へ移動しました。私にとっての新しい生活の始まりです。