Hinaのカンザス州(アメリカ)への高校生-留学-体験談「留学を終えて…」
どれほど孤独を感じて、どれほど自分を惨めに感じ、どれほど人の暖かさを感じたか。
どれほど文化の違いに戸惑い、どれほどその違いが美しく見えたか。
どれほど自分に自信を失くし、反対に今はどれほど自分に自信が持てるか。
どれほど涙を堪えて、どれほど力いっぱい壁を乗り越えようとしたか。
どれほど人との交わりに難しさを覚えて、同時にどれほど人に対しての感謝の心を覚えたか。
どれほど留学生らしくいることが難しく、また苦しくも感じて、
日本人としていることに恥ずかしささえ覚えて、
それでも見方を変えることでどれほど違いを素晴らしいと感じることができたか。
どれほど自分らしくいられないことに嫌気がさして、どれほど“自分”を探し求めたか。
どれほど留学生としての責任感と応えなければいけない期待にプレッシャーを感じて、
でも留学生としての誇りを持ち続けられたか。
どれほど世界の広さに圧倒されて、どれほど世界各国からの留学生たちとの出会いに感動を覚えたか。
どれほど目標が曇って見えて、
でもだからこそ、今、どれほど、物事に葛藤したその過去が、また現在いる場所が輝いて見えるか。
見え隠れする人種差別もあった。自分の外見が恥ずかしくもなった。でも自然の私を受入れてくれる人もたくさんいた。ただ私に笑顔を投げかけてくれる人、私の名前を呼んでくれる人がいることに、涙が出そうなくらい嬉しいと感じるほど、心が小さくも、大きくもなった。自分の弱さに直面して、自分の強さも知った。ただ黙って私の目を見つめ、私の言いたいことが言葉になるまで待ってくれる人に心から感謝した。自分一人でなんとかできると思って、何度も挑戦した。やり遂げられないときもたくさんあった。そんな、いっぱいいっぱいになった自分に、さりげなく声をかけてくれるホストファミリー、友達。自分の弱さを受け入れられずに、理由を探して自分を正当化しようとした自分もいた。でもそういう考えを持つ自分を恥ずかしくも感じた。でも決して途中で日本に帰りたいなど、心の隅でも思わなかった。やりたかったこと、やらなければいけない自分の使命、日本で支え続けてくれる人々のことを思えば、辛いことなんか乗り越えられた。
簡単ではなかった。でも後悔だけはしたくなかった。毎日、小さい目標を持ち続け、見上げ続けた。期待をたくさん背負って、実際重いと感じたこともあったかもしれない。でもそれが支えに変わっていた。大きな支えだった。これらは全て、私が、私の留学を通して学んだこと。そして、それは全て、留学を通してでなければ味わうことのできなかった経験。辛かった。でも、それよりももっと大きなものを、私は経験しました。
そして私は、今の、留学を乗り越えた自分を褒めてあげたいです。そして何より、本当の娘のように私を扱ってくれたホストファミリー、笑顔をくれた友達、親切にしてくださった学校の先生方、私に関わってくれたすべての人々に対する感謝でいっぱいです。1年間の留学生活中、私が書き続けた日記。どんな1日でも、留学のたった1日でも忘れたくないからという思いと、毎日の生活を通して自分の成長がどのように現れるかを知りたいという思いで始めた日記。書き逃した日さえ、忙しさを語るようです。その日記のページがプツリと空白になる。私の“人生の中の1年”ではなく“1年の中の人生”が幕を閉じました。
留学の成果を発揮するのは帰国後。これからは、日本から持っていったものを海外の人に伝えるのとは反対に、1年間アメリカで吸い取ったものを日本で発揮する役目がある。留学でなければ味わえない経験の素晴らしさを、次の年代に伝える役目がある。私の留学は終わったけれど、これから、私は、私の将来の可能性を広げていきたいです。
ありがとうございました。