Lisaのインディアナ州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 10ヶ月目・帰国後
一年の留学生活は最後になれば最後になるほど、どんどんあっという間に進んでいき、気づいたら日本に帰ってきていた。留学を決めたときも、アメリカに来るときも、実際にホストファミリーに会ったときも、帰るときの今の自分は全く想像できなかった。不安もあったけど、やっぱり楽しみでしょうがなくて、一年後にはどうなっているのかな、なんて思っていた。もうあの時に自分が想像していた一年後の自分にもなってしまった、と思うとなんだか不思議な気持ちになる。
今思い返せば、思い返すほど、あの時のあの経験は二度とできないだろうと思えるような貴重な経験ばかりでさみしくなる。驚くことばかりで戸惑ったり、ちょっと嫌になったりしたこともあるけれど、今となってはどんな時間も大切だったなと思う。留学で出会った人たちは、きっと私が留学に行かなければ出会うことはなかっただろうと思うし、そんな中で何人もの忘れられない人たちの出会いがあって、そこで学ぶことができて本当によかった。
前回のレポートからの続き--3月に入るころ、春のスポーツがはじまった。私はトラックアンドフィールドクラブにはいった。全体では30人ほどいるけれど、私のやっている長距離には4人ほどしかいない。すでにサッカーをやっていたことと、少ないメンバーということもあって、すぐになじめた。夏にサッカークラブにはいったときはなにもわからなくて誰も知らなかったからホストシスターやホストファミリーにたくさん助けてもらったけれど、前とは違って自分でわかるのが嬉しい。トラックミート(大会のようなもの)があり、私は800m個人とリレーに出ていた。陸上は人生初めてで、走るときは毎回本当に緊張したけれどとても楽しかったしチームメイトとずっと仲良くなれてとてもよかった。
トラックの練習は比較的に短くて放課後にあるので、他のこともできるしとても充実している。サッカーのワークアウトと呼ばれる次のシーズンのための練習が週に2回ほど始まっていて、たまにサッカーに行った。トラックアンドフィールドをやっていく中で友達もまたできたりして、嬉しくもあったけど、私自身もうすぐ帰るということもあり、とてもさみしい思いをすることも多くあった。トラックアンドフィールドの夏休みの練習予定だったり、来月の街のイベントの日にちが私の帰国日のあとであったりしたり、映画を見に行ったときに次の映画のトレーラー(予告編)の公開日が私が日本に帰った後であったりするたび、切ない気持ちになった。
時がすすむのは速くて、気がついたらもう次の夏になっていた。長かった学校生活もあっという間に終わった。アメリカでの最後の日々は私の留学生活の中でも1番楽しくて、1番濃かった。学校が終わってからは毎日夏休みで、たくさんプールに行って、買い物に行った。やっぱり、留学生活も最後が楽しくて、終わりに近づいていくにつれ毎日どんどん日が短くなっていくように感じた。帰国の数日前、学校の卒業式があった。私はシニアではないのでただ見に行っただけだけど、アメリカの卒業式は日本とはまるで違って、とても印象に残っている。学校も終わって、一年の最後の行事である卒業式も終わって、ほんとうに最後の最後なんだなあと感じた。
帰国日の2日ほど前に寮を出た。私の寮の最後の日は今までの中でも1番といっていいほど、印象に強く残る日だった。その日は、ほとんどの留学生にとっての寮での最後の日だったのもあって、いつもとは空気もまるで違った。そのときにはもうすでに三分の一近くの友達はもう寮を出ていて、いつもより静かな寮のなかで残っている留学生だけでずっと過ごした。留学生寮ということもあって、みんながみんなそれぞれの場所から来ていて、それぞれの場所に帰るか、アメリカに残るか、なのでやっぱり別れるときは本当に国を超えてバラバラになってしまうのでとても寂しい。
たまたま、その日の朝にアメリカを出発する人が大半だったので、夜中から朝方にかけて何度も友達を見送り、自分の荷造りをして、気付いたら朝だった。友達を見送るのはとても不思議で、あと2日ほどで自分も日本に帰るのに、そんな感じがしなかった。私はもうずっと荷造りもしていたのに、ほんとに帰るという実感がわかなくて、出発のときも結局最後までこんなことを言っていたなと思い出した。未だになぜかはわからないけれど、私たちの最後の寮の日、空には花火があがっていた。今までにこんなこともなかったし、どうしてかもわからない、きっととても近くで何かのイベントがあったのだと思うけれど。本当に最後の夜、ひたすら話しながら荷造りをしている時に花火を見て、なんだかとてもとてもさみしくなってしまった。
この一年間は絶対に今までで一番だしこれからもずっと特別だと思う。去年から自分自身変わったな、成長したなと思えることはたくさんあるけれど、もちろんその中でずっと変わらない自分もいて、その変わらない自分を嫌にも思えたし誇りにも思うことができた。
留学中はとにかく自分が置かれている状況が今までとは違かった。日本だったら大体のことは慣れ親しんでいて、初めてのことをするにも、もっと楽にできたことが、全然うまくいかなかったり、知らないことに囲まれて動揺したりしたけど、そんな経験もそれを乗り越えることも留学をしなかったらできなかったとであると思う。
留学ができたことと、それを支えてくれた両親、文際やFLAGのかた、周りの人たちにとても感謝しています。本当にありがとうございました。