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Saraのインディアナ州-アメリカへの高校生-留学-体験談 2年目 E|高校留学ブログ日記

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Saraのインディアナ州(アメリカ)への高校生-留学-体験談 2年目 E

 

   ニューヨークにある国際連合本部の前には銃筒がねじ曲げられた銃のオブジェがある。この拳銃のオブジェは、非暴力と平和を象徴するものだ。それなのになぜ、アメリカでは銃の規制がなかなか進められないのだろうか。

アメリカに留学する前からアメリカが銃社会であることは知っていた。ハロウィーンの時期に、間違って近隣の住民に銃で殺されてしまった交換留学生、服部さんについての記事も読んだ。それでも、銃がアメリカ社会でそこまで身近なんものだとはあまり理解できていなかった。しかし、留学生活を通してアメリカ社会と銃が切っても切り離せない関係にあるのだと身を持って感じた。

私が初めて本物の銃を見たのは、仲の良い女の子の家に遊びに行った時だった。彼女の父親は軍隊に所属していて、腰にいつも拳銃を携帯していた。彼女の家のセキュリティの話になったときに、私に銃を見せてくれたのだ。今まで銃をみたことがなかった私は、こんなに私に近い人が銃を実際に持っていることにとても驚いた。そして悲惨な事件が私の近くでも起こった。以前、私の通っていた高校に在籍していた男の子が銃によって死んでしまったのだ。彼は弾が入っていないと思って友達と銃で遊んでいるうちに、銃が暴発して彼を撃ってしまったのである。私は彼のことはよく知らなかったが、彼をよく知る生徒や先生は彼の死にショックを受けて、嘆き悲しんでいた。私もこんな悲惨なことが身近に起こったことにショックを受けた。

アメリカで起こった銃の乱射事件は日本でもメディアを通して伝えられるが、銃の誤射事件はあまり取り上げられない。しかし実際には、子供が親の銃で遊んでいるうちに誤って暴発してしまう事件もとても多い。最近、アメリカで銃による悲劇が起こった。三歳の男の子がゲームを取り出そうとして母親のカバンに入っていた銃を発砲してしまい、その弾が父親と妊娠中の母親に当たってしまったのだ。彼らは病院に運ばれ、一命を取りとめたが、その後、子供の周辺に銃を放置していたことで逮捕された。彼らはその男の子を預かってくれる施設を探しているそうだ。もし銃がそこになければ、この家族はバラバラになることもなく、普通の生活を続けられていただろうに、一つの銃がみんなを不幸にしてしまったのだ。アメリカでは銃の保持は規制されていても、銃の使用はあまり規制されていないと言われている。1日あたり85人の人が銃によって殺され、年間では3万人にも及ぶ。

オバマ大統領は銃の規制を強化しようと模索していたが、結局法案が否決されたことでその試みは断たれてしまった。世論調査によれば、アメリカの人口の約九割の人が銃の規制の強化を望んでいるそうだが、今まで規制が進められたことはない。その理由の一つに、アメリカ合衆国憲法第二条によって、武器の保持が認められていることがある。もう一つの理由は、全米ライフル協会という大きな政治的利益団体が銃の保持を支持しているからだ。全米ライフル協会は、銃の存在が体格に関係なく自衛という面で全ての人を平等にすると謳い、銃の規制が進むことに反対している。そして、彼らはアメリカ軍に巨額の寄付をしているため、アメリカ政府にも強い影響力を持っているのだ。民間人に銃の保持を認めるといことは、自分の身は自分で守るというアメリカ人の精神に基づくことでもある。私を含めて他の国の人は、アメリカは一刻も早く銃の規制をするべきだと思っているが、アメリカ社会においてはそんなに容易いことではない。銃のおかげで自分たちの社会は安全になると信じている人々が多く、さらに銃の製造、販売によって利益を得、生計を立てている人がいる限り、アメリカでの銃の規制は難しいだろう。アメリカの銃の問題は、私たちが思っているよりも根が深いのだ。

 

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