Shoのハミルトン(ニュージーランド)への高校生-留学-体験談 6ヶ月目
お久しぶりです。
8月に入り、すでに留学が始まってから半年経ったと考えると時の流れはとても早いなという印象を受けます。この2ヶ月はとても大きな行事というものはこれと言ってありませんでしたが、ホストファミリーとの生活ではかなり変化があったと感じています。
まずは、英語面です。以前のレポートで書いたように、辛うじて英語を聞き取れるようになったのは1ヶ月半が過ぎた頃で、話せるようになったのは3ヶ月が過ぎた頃でした。半年がすぎた今ではほぼ100%聞き取ることもできるようになり、自分の伝えたいことも伝えられるようになったので会話においてはほぼ困ることは無くなりました。また、スラングも最近ではどんどん理解できるようになり、さらに英語で話すことが楽しくなってきました。このような点で自分の英語力、英語に対しての関心はさらに上がったなと思います。ただ、もちろんまだ完璧ではありません。次の課題としては興奮している時や焦っている時など咄嗟の時にたまに複雑な英語がパッと出てこないことがあるのでこれを改善することです。そのために今自分は家で自分の時間が確保できる時に自分で即興スピーチを行っています。題材は英検1級のスピーチの題材を参考にしています。英検1級のスピーチは英語力のみではなく、日本語力いわゆる思考力というものも鍛えられるので、英語で考え、表現するということに適していると思います。思考力のトレーニングは考える機会の多い学校の授業にも役立つのでこれからもトレーニングをこれからも行っていきたいと思います。自分の考えとしては通常、英語の能力というのはspeaking , reading , listening, writing 全て繋がっていると思います。ただ、日本の英語教育ではこの4技能に偏りがあるというように感じます。現在の日本の英語教育では "reading"、"writing"、(listening)に重点が置かれていて、"speaking"に関しては疎かになっているように思います。実際のデータとしては2014年のTOEFL スピーキングのスコアはアジアでは31カ国中31位でした。そのような結果からも日本人の英語のスピーキング力の低さは際立っています。自分も実際に英語圏に半年住んでみて感じたことは、タイや中国、ベトナム出身者は英語が堪能なので日本でもさらなる英語のスピーキング教育が必要なのではないのかなと感じました。最近では他国出身の友達と関わることで日本についてのことや日本の教育に関して考えることが多くなりました。
次は学校生活面です。7月中旬にターム(学期)2が終わり、7月25日からターム3が始まりました。ターム3もターム2の時と同様、タームの初めには新しい人が様々な国から来ました。今タームは4名新しく迎えスタートしました。1人は香港から、1人は韓国から、あとの2人はブラジルから来ました。自分はこのように様々な国からたくさんの人が来ることをとても楽しみにしています。そのような人たちと交流を深めることでニュージーランドだけではなく、色々な国の文化を学ぶことができるからです。モンゴルから来ている友達に聞いた話なのですが、モンゴルでは夏に人々が馬に乗ってレースをするお祭りがあるそうです。
ターム3が始まり、二週目はlanguage weekというものがあり、月曜日はChinese Day 火曜日はJapanese Day 、水曜日はSpanish Day 、木曜日はFrench Day そして金曜日はAll Languages Day でした。各言語の日には様々な特別なものが用意されており、Japanese Day では学校でおにぎりといなり寿司が売られていました。また、Japanese Day の際に[日本は世界で愛されているんだな]というように感じました。特に日本のアニメは世界中で人気だということを身をもって実感しました。時にはアニメは日本の文化ではないというような意見を持つ人もいますが、自分はアニメは日本の重要な文化であり、アニメを通して日本に興味を持っている人が多いということを感じたのでアニメはとてもいいと思います。このような経験を通してアニメや日本についてのことを自分は知らなすぎたなと思ったので留学前にもっと勉強しておけばよかったと反省しています。例えば、ある時友達が自分に「五重塔ってなんで五重なの」と聞いてきました。その時、一応説明しましたが、正直ちゃんと説明できませんでした。なので、これから留学に行く人には是非日本についてもっと知っておいて欲しいと思います。
ここ最近では英語に慣れてきたということもあり、授業により集中することができるようになりました。そうなると考える機会というものが増えてきました。ただ、考えなくてはいけない時にいいアイデアが浮かんできません。このような経験から自分がどれだけ今まで考えてこない人間だったか痛感しました。この残りの半年でしっかりと考える練習をして、日本に帰ってからも考えられる人間になりたいと思いました。
次は生活面についてです。自分のホストファミリーは外出が多く、自分が学校から帰ると家におらず、夜8時9時に帰ってくるということも珍しくありません。そんなこともあり、なかなか思うようにコミュニケーションを取ることができず、慣れるのに時間がかかってしまいました。ですが、ここ最近はお互い興味のあることを通してさらに打ち解けることができたかなと思います。それはポケモンGO "です。この世界的なブームを見ても日本のアニメの人気さ影響の大きさは計り知れないということがわかります。自分のホストマザーはおそらくポケモンという存在は知っているものの、ポケモンを見たことがないようです。もしこのようにお互いの共通点を見つけることが早い段階で出来ていたらもっと距離を縮めることは容易だったかなと感じます。
ただ、留学レポートの初めに書いたようにホストブラザー、シスターには未だに困っています。この半年間でたくさんの自分のものが壊されたり、物が知らないうちに失くなったり、週末は自分の部屋に入ってきて部屋を荒らして行きます。自分が部屋にいない時にでさえ部屋に入っています。来週(8/7現在) インターナル・イグザムがあるので勉強しようと思って部屋にいると部屋のドアを壊す勢いでホストブラザー、シスターが叩いてきます。子供たちが部屋に入ると上記のようなことをするのでドアを抑えているしかありません。そのようにすると、勉強に手が回らず疎かになってしまいます。どのようにしたらいいかわかりません。リビングにいてソファーに座っていると乗っかってきたり、追いかけてきたりするので自分の部屋に逃げます。これを週末は何回も何回も繰り返している感じです。ただ、何度も言っているようにホストペアレンツはとてもいい人たちで自分はこの家に来れてよかったと感じています。これも留学の辛さなのですか?もしそうならこれも耐えられる気はしますが…。これから留学に行く人に知っておいてほしいことはこのようなことは沢山の家庭で起こっているということです。自分のホストファミリーに限ったことではありません。ただ、自分は総合的にこの環境には満足しています。留学に行く際はこのようなことも覚悟しておかなくてはならないと思います。
ただ、このような環境の中でも学んだことがあります。それは広い心を持つことの大切さです。自分は昔から短気な性格があり、表に出すか出さないかは別として、すぐに頭に血が上ってしまいます。この性格を直して広い心を持ちたいと思っていました。そんな中、どの国でもこの幼い時はしょうがないことだと思いますが、毎日いつでも汚い言葉を浴びせてきます。留学当初はその言葉一つ一つに対して腹を立てていましたが、最近ではそのような言葉を時には受け止め、時には流すことにより、あまり気にしないようになってきました。その対応の仕方は家庭の中だけかなと思いましたが、学校や家庭外で友達等に同じ様な言葉を言われた際も腹を立てず家庭内と同じような対処をすることができるようになってきました。最近はその様に考えることにより、これも自分を成長させてくれる試練なんだと考える様になってきました。
ここ最近は特に週末は自由な時間が増えました。生活にも英語にも慣れてきて、大変なことというものも大してなくなってきたからです。そうなると正直やることが何もないです。ただ、自分はそういう時こそ自分の将来のことについて、自分は大学で何をしたいのか、なぜ留学をしたのかなど自分を改めて見直す機会だというように思います。留学開始時は志望大学も将来の夢もありました。ただ、改めて自分を見直し、自分自身に「本当にその大学に行きたいのか、本当に将来その仕事をしたいのか」と問いかけたところ、本当に自分がやりたいことと違うと思いました。そこからこれらについて考えましたが、まだ明確な答えは出ていません。ただ、もし留学をしていなくて、この時間がなかったら、このまま将来に向かって進んでいたと考えると怖いし、この自由な時間は本当に重要な時間であると思いました。留学生全ての人はこのような時間があると思いますが、人によってこの時間の使い方は違うと思います。その時間を有効に使えるかは個人によると思います。
また、自分は最近留学の本当の意義を考えるようになりました。自分の考える留学の意義は異文化を通して「本当の自分」を見つけることだと思います。日本の文化の中では「日本人としての自分」は形成されると思いますが、「本当の自分」というものを見つけることは非常に困難だと思います。なぜなら、日本で常識のものが海外では常識ではないなど文化により様々な違いがあるからです。自分の考える本当の自分とは「異文化の中でも変わらない自分又は異文化の中で見つけた新しい自分」だと思います。例えば日本では真面目に物事に取り組んでいたのに、海外に来た途端さぼるようになったとなった場合は、"真面目な自分"というのは本当の自分ではなく偽りの自分だと思います。もし、変わらず真面目にやっているのであればそれは本当の自分だと思います。また、日本では消極的だったのに、海外では積極的になったとすればその自分も本当の自分だと思います。このような自分の本質を見つけるということは1年間留学という限られた期間の留学でなければできないと思います。海外生活が長ければ英語はとても上達するかもしれませんが、このようなことに気付くのは困難かと思います。そのような点からもこの留学プログラムに参加してとても良かったと思います。
この様に最近では様々な方面から色々なものを考えることができる様になってきました。このレポートを除くとあと一回しかレポート提出がありません。その様に考えると留学ももう終盤なんだなということを感じてしまいます。残りの4ヶ月、悔いのない様に自分のやりたいことをやり、この1年間を決して無駄なものにしない様にしたいです。また、日本に帰国した際には親に笑顔で「楽しかった!」と言える様な留学にしたいと思います。